抗がん剤治療の副作用 難聴やめまいについて

抗がん剤の副作用 難聴やめまいを感じたら

抗がん剤のなかには、末梢の感覚器の障害をおこすものがあります。
この感覚のひとつに 耳があり、ここに障害がおこると難聴になったり、めまいを感じたりします。

下の図は、耳の構造です。

 ・耳かい(じかい)
 音を集める
 ・鼓膜(こまく)
 音が入ってくると、振動(しんどう)する膜
 ・三半規管(さんはんきかん)
 体のかたむきや回転を感じ、バランスをたもつ
 ・耳小骨(じしょうこつ)
 鼓膜の振動を大きくし、か牛(かぎゅう)に伝える
 ・か牛(かぎゅう)
 音の高低を脳に信号として伝える


音は、外耳道をとおり、鼓膜を振動させます。この振動は、中耳の骨を動かし、内耳へと伝わり
神経の働きに変えられ脳へ伝えられます。

内耳には聴力にかかわる部分(か牛)以外に 体のバランスをとる部分(前庭・三半規管)があります。
抗がん剤は内耳のはたらきを障害することがあるため、聴力とバランスに影響がでて、
難聴やめまいを感じるのです。

バランスは聴力にくらべ障害される頻度が低いため、めまいがおきる頻度は低いようです。
急性期の症状がとれれば、あまり問題にはなりません。
それにくらべ、難聴は治らないことがありますので 注意が必要です。

難聴をおこしやすい抗がん剤に 白金製剤(シスプラチンなど)、パクリタキセル(パクリタキセル「NK」・
タキソール)、ビンクリスチン(オンコビン)、リツキシマブ(リツキサン)などがあります。

とくに白金製剤は、いろいろながんに使われ、これによる難聴の頻度は 数%~ 30% 程度といわれています。

両側とも難聴になることが多く、高い音ほど障害されやすいので、たとえば 体温計の電子音の
“ピ ピ ピ”といった音が 聞きとりにくく感じたりします。

1回目の抗がん剤投与後に すぐ起こることもあれば、数回投与後に起こることもあり、発症時期は
さまざまですが、一般的には 投与量・回数がふえるほど 発症率もふえる傾向にあります。

約半数に自然回復があると考えられていますが、再投与により悪化し、徐々に回復が悪くなるようです。


治療として、抗酸化剤・ビタミン剤・副腎皮膚ステロイドホルモン・ホスホマイシンなどが用いられますが、
残念なことに 必ず効く薬はありません。

難聴の程度、がんに対する治療効果などをくらべあわせ、抗がん剤治療の方針を検討するとよいでしょう。

また、抗がん剤治療とは関係のない 他の耳の病気がかくれている可能性もありますので、
この症状がおこったときは 一度、耳鼻咽喉科を受診され、診察や聴力検査を受けられることをおすすめします。


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